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マーベルから読み解くアメリカ、戦争とスーパーヒーローの歴史

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アメコミ・スーパーヒーローとアメリカの歴史

1930年代 世界恐慌-アメリカの暗い時代

資本家は一斉に労働者のリストラをはじめ、大都市は失業者で溢れた。食糧の配給には長蛇の列ができ、浮浪者や犯罪者が増加して社会不安が蔓延した。農家の没落はもはやとどまるところを知らず、彼らが逃れた西部にも、彼らを受け入れる余地はどこにも無かった。そこにかつての繁栄を誇ったアメリカはどこにも存在しなかった。(wikipedia 「アメリカ合衆国の歴史より」)

貧困と犯罪に溢れるアメリカの暗い時代、国民は救世主を求めていた。そして、漫画雑誌からスーパーヒーローが誕生する。国民的ヒーローとも言えるスーパーマン(DCコミック)の誕生である。

スーパーヒーローはアメリカの神話とも言われる。元祖アメコミヒーローであるスーパーマンにはやがて「宇宙から落とされ、人間に育てられる」という神話的な誕生秘話が加えられた。

1940年代 第二次世界大戦

1939年9月、アドルフ・ヒトラー率いるナチス・ドイツのポーランド侵攻によって第二次世界大戦が勃発、短期間で西ヨーロッパの大部分はドイツに占領され、イギリスも執拗な攻撃によって疲弊し、ウィンストン・チャーチルは再三にわたってアメリカに参戦を求めた。アメリカ大統領ルーズベルトはレンドリース法を設定して援助を拡大するものの、参戦には世論の支持を得られないと考えて難色を示し、中立法を遵守するとした。

スーパーマンやキャプテンアメリカは星条旗を背負い、国債の宣伝をし、国の戦争キャンペーンに使用された。戦争の奨励は許されてはならない悪用にも思えるが、当初は中立を保っていたアメリカ。実は最初にナチスが許せないと立ち上がったのはアメコミの方だった。キャプテン・アメリカはコミックの中で立ち上がり、悪者・ヒトラーに怒りのパンチを浴びせたのだ。

1950年代 幸せな家庭のススメ

第二次世界大戦が終息し、多くのスーパーヒーローが消えた。必要がなくなったのだろう。しかし、米ソ冷戦が始まると、政府は次第に文化や考え方にも規制をかけ始めた。
米ソの冷戦は軍事衝突ではなく思想戦だったため、政治批判は危険視された。漫画内での血の描写は禁止され、政府高官の汚職をほのめかすのも禁止された。

初めての女性ヒーロー・ワンダーウーマン(DCコミック)は路線変更。急に男性と結婚し、料理やファッションに目覚め、強さは消え失せた。戦後のアメリカは、郊外に大きな家を持ち、理想の家庭生活を推奨した。スーパーマンもキャプテンアメリカも女性のパートナーを持ち、家庭の小さな問題を片付けた。当時のコミック関係者は「スーパーパワーはホットドッグを温めるのに使われたよ」と皮肉る。

同性愛が危険視されると、バットマンとロビン(DCコミックス)の関係が「同性愛的」とされ、批判された。

スーパーヒーローたちはどんどん保守的になっていき、コミックも衰退した。

1960年代前半 科学の進歩、新しい希望の時代となるか

J・F・ケネディが史上最年少で大統領に。新しい時代がきていた。
人類は月へ行く夢に目覚め、科学が進歩した。衰退しきっていたスーパーヒーロー達にも科学が適用された。

宇宙から帰還した際に超能力を身に付けたファンタスティックフォーの誕生(マーベルコミックス)。ハルク・ソー・アイアンマン・X-MEN、スパイダーマンなど現代の人気ヒーローが次々誕生(マーベルコミックス)した。

1960年代後半 ベトナム戦争、暗い時代再び

政府の予想に反し苦難を強いられたベトナム戦争により、アメリカ国民は戦争と自国に再び不満を持ち始めていた。

そこにウォーターゲート事件が勃発。アメリカ国民はついに政府が信じられなくなった。キャプテンアメリカのコミックでは、悪の黒幕が政府高官だと暴いた。コミックス内で、キャプテンアメリカもショックを受け、キャップはトレードマークの星条旗を脱いだ。アメリカのアイコンだったスーパーヒーローですら愛国心が揺らいだ時期である。

男女平等への抗議運動も高まった。ワンダーウーマンが女性解放運動のアイコンとして復活。1950年代にすっかり男性のおまけに成り下がったワンダーウーマンは再び強さを取り戻した。

1970-90年代  黄金の80年代

冷戦は依然として続き、1970年代を通じて政治不信は解消されなかった。しかし、80,90年代ともなると大衆文化には明るい話題も多い。ハリウッド映画が栄え、俺ら世代の知る「アメリカ」らしさが生まれた。

2000年代 9.11アメリカ同時多発テロ

アメリカ同時多発テロ事件(アメリカどうじたはつテロじけん、英: September 11 attacks)は、2001年9月11日にアメリカ合衆国で同時多発的に実行された、イスラーム過激派テロ組織アルカーイダによる4つのテロ攻撃の総称。一連のテロ攻撃による死者は2996人、負傷者は6000人以上であり、インフラ等への物理的損害による被害額は最低でも100億ドルとされている。
この事件を契機として、国際テロ組織の脅威が世界的に認識されるようになり、アメリカはテロとのグローバル戦争(GWOT: Global War on Terrorism)の標語を掲げ始め、アメリカ合衆国と有志連合はアルカーイダやアルカーイダに支援を行った国への報復を宣言し、アフガニスタン紛争、イラク戦争に繋がった。

世界が衝撃を受けた。
ヒーロー達もコミックスの中でテロリスト達への怒りと愛国心をあらわにした。この時ばかりはヒーローではなく、一人のアメリカ国民としてスーパーヒーロー達も悲しんだ。

当時、米軍への志願が増えたと駐日米軍の方から聞いた。多くは復讐より愛国心からくる使命感によるものだった。

現在 より複雑な時代へ

対テロ、対テクノロジー、対核兵器、対ウイルス……複雑化する社会問題はスーパーヒーロー達を必要としている。多くの問題はアメリカ国内ではなく、世界規模になった。
今も私たちはスーパーヒーローを求めているのである。

参考文献:
映像/Historyチャンネル「アメコミ・ヒーロー大全」Hulu
WEBサイト/wikipedia

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